6年前の夢を見た。
あの時までは、毎年夏は家族で蓼科に避暑に行っていた。
毎年毎年、白樺湖や高原、牧場、ビーナスラインなど
いつも同じところで遊んでいた。
6年前に買ったガイドブックで諏訪神社付近の風景に惹かれて、
霧ヶ峰を通って諏訪に出た。
諏訪大社を拝観して、観光写真を撮って、外に出たところに、
聴泉閣かめやという古いたたずまいの旅館があって、
皇女和宮が御降嫁するときに泊まった宿だとある。
歌川広重、十返舎一九、芥川龍之介、与謝野晶子・鉄幹、西条八十などの
文人も泊まったとあって、一度泊まってみたいと思いつつ
その前を通ってしばらく歩いたら、
手首にぶら下げていたカメラがすうっと落下した。
ストラップが切れたのかと思ったら、切れてなかった。
手をストラップが抜けたことはなかった。
思い出した。
カメラが壊れたのは諏訪大社で観光写真を撮った直後ではなくて、
あそこを通って少し歩いたところでだった。
なぜずっと諏訪大社が原因だと思っていて、
その後の道になにかあった等の発想には至らなかったのだろう。
そこで目が覚めた。
目が覚めてからあの日のことを思い出してみた。
たしかに夢の通りだった。
ずっと諏訪大社で写真を撮ったことと、デジカメが壊れたことを
結びつけていた。
なぜ壊れた瞬間の場所になにかあったとか考えなかったのだろう。
6年間ずっと諏訪大社で写真を撮ったことが原因だと思って、
気軽に神様の安置されているところに行くのが怖くなって、
あの後大きな神社を訪れることがまったくなかった。
いや、一度日光東照宮に行ったら、その日だけ大変混んでいて、
駐車場に入るのに4時間半待ちとかで、山のふもとの町の中まで
駐車待ちの車の列があって、1,2時間は待っていたのだけれど
ぜんぜん進まないで山のふもとのまんま。
あきらめて拝観せずに帰ったことがあった。
神様の側から拝観するなということだったのかもしれない。
6年前にデジカメが壊れてから、同じ機種を買いなおしても、
安価なものをとりあえず買っても、とにかく写真が撮れない、
撮っても、数百枚取れる機種でも数枚撮っただけで空きがないと出る、
パソコンに取り入れるとファイルが壊れている、ついでにデジカメが壊れる、
場合によってはパソコンも壊れる。
手のつけようがなかった。
あのときから3ヶ月の間に3回、数メートルの高さから転落事故で大怪我した。
zardの坂井泉水が落ちたのより高いところからの転落だ。
何かに足をつかまれて、いきおいよく背中を押された感じだった。
はじめは「そそっかしいのね、気をつけなさい」とみんなに笑われていた。
わたしも2度目まではそうかと思った。
大怪我してから怖くて階段は手すりにしっかりつかまっていたのだけれど、
3度目、やはり足を取られてすごい勢いで何かに押されて転落した。
手すりにしっかりつかまっているのに転落したときの感覚は
自分でも首をかしげたかった。
しばらく車椅子も自力で押せない状態だった。
なんとか動けるようになってきたときに、横になっていたら
誰か女性が上に乗って、両手でわたしの首を絞めている。
呼吸ができない。
女性が消えた。
夢なのだろうか。
でも呼吸はまだできない。
死ぬのだろうかと思いながら、自分でセルフ人工呼吸といったらいいのか、
強引に呼吸してみた。
咽喉がいうことをきかない、これで終わりかなと思ったら
急に呼吸ができるようになった。
ほっとして水を飲みに洗面所に行ったら、
鏡に映った自分の首に細い女性の両手の痕があって
ぞっとした。
その年、定期健診では胃にケロイド状のものが写っている、大腸も要検査とのことで
どちらも内視鏡で検査することになった。
検査中に器機が故障したり、停電になったり、変な光が出てよく見えない等で
医師がブチ切れた。
とりあえず異常はないだろう、見えなかった部分があるので
そこになにかあったらわからないけれど、
と言われた。
検査が終わって階段を例によって手すりにしっかりつかまりながら降りていると、
また足をつかまれ、背中をドンと押される。
でもさすがに手すりをしっかりつかまってるので落ちなかった。
足をあげようとしたらあがらない。
床に張り付いてるみたいにつかまれてる感じ。
全身の力を振り絞ってがんばって足を上げたら、
頑丈な縫製のメンズ仕立ての革靴の底が抜けた。
それでもしばらく床に貼りついていた。
ふっとはがせるようになったらただの床だった。
怖いのと、近いうちに殺されちゃうかもしれない恐怖とで
母に電話をしたら、天台宗のお坊さんを友人に紹介してもらって
母の家でお祓いをしてもらった。
6年経って、記憶と思い込みの不確かさに気付いて
来年の夏は、改めてあの旅館に泊まりながら
諏訪大社に参拝してみようかと思ったり、
いやこれでのこのこ行くと、
「来ーたーなぁーーーーーー!」
ということで今度こそ殺されちゃうんじゃないかと
行くのと行かないのはどっちを選択するべきなのかなぁと
思ったりしている。
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