こんな夢を見ました。
20代前半のかわいらしい女性が会社の面接試験を受けています。
60代くらいの社長が面接官、中年のしょぼくれた男性秘書らしい男性が
お茶を出しています。
面接は彼女で最後でしたので、話がはずんで終わった時には暗くなっていました。
「こんな時間だし、わたしたちもちょうど帰るところだから、送って行ってあげよう。」
駅はそう離れていなかったし、はやくひとりになってくつろぎたかったので、辞退しましたが、
「いいから乗りなさい」と勧められます。
あまり固辞すると、就職試験の結果に響きそうなので、車で送ってもらうことになりました。
車に揺られ出したら、疲れていたのかすぐうとうとしてしまいました。
「降りるから、起きなさい。」
目を覚ますと、そこはホテルでした。
道からちょっと外れているようで、周囲はひっそりしています。
フロントには3人分のスリッパとキーがあるだけで、だれも姿を見せません。
女性が寝ている間にあらかじめ予約を取っておいたようです。
「あなたがあんまり具合が悪そうだったのでね、ずっと車に乗せるのもなんだと思ってね、
ここでちょっと休んでよくなってから帰ればいいと思ったんですよ。」
そういいながら、社長は部屋に備え付けの冷蔵庫からビールを出して勧めてくれました。
会社から家まで送ってくれるなら車なら20分あれば着くし、こんなところ通るはずがない、
それはわかっていましたが、仕事が決まるか、下手に気分を害してしまえばまた
就職活動のやりなおし・・・彼女は反論しませんでした。
「食事の準備を頼んできます」
そう言って秘書が部屋から姿を消しました。
2人きりになった途端、案の定、社長は抱きついてきました。
払っても払ってもしつこく、「仕事は楽で給料のいいのをあげるから」と言われて、
彼女はちょっとの時間だけ我慢をしちゃおうと思いました。
不況でなかなかいい仕事がなかったのです。
この社長がまたしつこくて不愉快なんだけど、彼女は我慢しました。
これで帰れると思ってシャワールームにいこうとしたとき、秘書が帰ってきました。
「特別料理を頼んでまいりました。」
「おお、XXくんもいっしょに仲間に入りなさい。このお嬢さん、私一人ではなかなか
満足させられないから、君もじっくり喜ばせてやりなさい。」
冗談じゃない、そう思いましたが、ここでけんかをしてはいままで気持ち悪いのを
耐えてきたのが無駄になります。
いいかげん仕事を決めないと、若くて働けるのに心が腐ってるなどと家でも近所でも
激しく人格否定をされて心が病んでしまいそうなのです。
彼女はついでにこの秘書の相手をすればもう帰れる、楽な仕事もゲットできるからと
いいきかせて我慢しました。
しかしいっぽう、秘書にもさせるってことは、社長の愛人になれってわけじゃないんだなぁと
ちょっとがっかりでもありました。
どんなにみにくくて気持ち悪くても、社長の愛人なら、社長が来たときだけ相手をして、
あとは家や好きな家具を用意してもらって、きれいに着飾っておいしいものを食べてて
月のお手当てはOLの何か月分ものお給料以上にもらえるとちょっと期待してたからです。
2人にさんざんしつこくねちっこくされて、いまは何時なのでしょう。
お腹がぺこぺこです。
「ふぅ~っ。さすがに腹が減ったね。そろそろ特別料理で舌鼓をうつかぁ。」
社長はそういって、彼女になにか注射しました。
なんだろう? 強精剤?疲労回復ってやつ?点滴?
はっとしました。
もしいまの注射が睡眠薬で眠っている間に2人がたくさん食べて逃げちゃって、
3人分のホテル代を請求されたらどうしよう。
特別料理っていってたけど、一人3万とかかかるものだったら、全部で
10万以上請求されちゃう。
そうしたら・・・・・どう・・・・・・・・し・・・・・よ・・・・・う・・・・・・・・
・・・・・どんどん意識が遠のいていきます・・・・・・・・・・。
彼女は眠りにつきました。
大きなテーブルに特別料理が載っています。
「いやー やっぱり若い女の子は肉に弾力があってうまいですね。
骨もカルシウムがたっぷり詰まってる味ですよ。
刺身、スープ、煮物、ローストなどの料理がたくさんある中、
テーブルの真ん中には先ほどの女の子のローストされた頭と
一口サイズの肉がブロッコリーやプチトマト、焼きオレンジなどといっしょに
飾られていました。
あなたが想像しうる最悪なことはあなたの予測内のこと、
多くの事件の被害者はみな日常の予測をはるかに超える最悪なことに遭って
命を落としている。
そこまでなぜ読めなかったのだと安全な人々がなぜ非難できようか。
最悪なことはいつも想像しうるもっともひどいことをはるかに上回る最悪さなのだ。
そんな偈のようなものが、どこからか聞こえてきて悪夢は覚めました。
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