城壁も建造物もことごとく破壊され、雑草が繁るところに立っていた。
どこか他の地に移動しようと思った。
でも次の地に行っても、また破壊行為があって、平安はないだろうと思った。
それによそ者は居心地が悪そう。
壊された城壁の煉瓦が生きている気がした。
体温とか意識があるというのか、これが愛着というものなのか。
わたしが見捨てて他の地に行ったら、ここはただの廃墟となってしまうだろう。
この壊れた煉瓦をセメントで補いつつ、補修したら使えるかな。
石でもいいかな。
時間はかかるけれど、これを修理して使おう。
自分が壊れても修理しても使ってほしいのと同じ気持ちを城も抱いてるだろう。
そう思って石を探した。
露草の葉の朝のしずくがなんだかお礼というか嬉しがっている気がして、
これは何もないし、第三者から見たら大不幸だけれど、
こういう幸せもある、と思ったところで目が覚めた。
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