夢の中で、突然、カブトムシに助けを求められました。
声がするように行ってみると、庭に割れた植木鉢が斜めになって土に埋まっていて、
カブトムシはわずかな隙間から外に出ようとして、挟まって身動きが取れなくなっていました。
「せっかく生まれてきたのに、ここからでられないよ
鉢をどかして外にだして。」
鉢を持ち上げてやると、うれしそうに角を動かして挨拶しました。
声が聞こえた気がしたけど、気のせいかな。
そう思ってたら、雨上がりの舗道からミミズの声がしました。
「雨だ、雨だ」
「踏まれないようにしないと」
「ぼうや、雨が上がる前に湿っぽいところにいかないとだめよ。
お陽さまや虹をみたり、猫と遊んでると、あっというまにひからびちゃうのよ」
ミミズって飛べないし、走れないし、たいへんだなあと思いました。
でも土に縛られてるのも、いつ鳥がついばみにきたり、うっかりしてると
ひからびて死んでしまったり、踏まれたりするのも、人間もそうだなあ。
そんなことを思ってるとまたさっきのカブトムシがきて話しかけました。
「ここ土だけで何もないんだけど、ぼくのこと飼ってくれる?
蜜と水だけでいいよ。」
「いいけど、猫がいじめないかしら」
「だいじょうぶ。猫といっしょにぼくも飼って。
ほかにカブトムシの仲間いないみたいだから。
ひとりじゃさびしいから、生きてる間いっしょにいて。」
カブトムシは我が家の一員になりました。
猫ともお話できるみたいで仲良くしてて、問題ありませんでした。
昆虫と話せたからってお金がはいるわけでも、名声をえられるわけでも
ないし、下手に人に話すとあぶなそうな目でみられそうだけれど、
なんだか昨日よりちょっと楽しみが増えた気がしたところで目が覚めました。
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