夢の中でわたしは雑誌の新作映画担当の記者をしていました。
たくさんの映画を上映している映画館にインタビューに呼ばれました。
指定された上映室に入ると前のほうに男性がひとりいるだけ。
同業者かカメラマンか何かだと思いました。
その人がいる前のほうにいって、挨拶をしようとして「きゃっ」と思わず声をあげてしまいました。
ダンボール、ビニールシートにお漏らし垂れ流していて、
ズボンを下ろして性器を出しているのです。
近くには缶きり、金槌、ナイフもあります。
ここで生活しているホームレスなのでしょうか。
ホームレスをこんなに怖いと思ったことはありません。
「下手したら暴行殺人になる」
恐怖で震えてガクガクしながら走ろうとしたら、男性が性器丸出しのまま、
ナイフをもって追いかけてきました。
ものすごく怖いです。
と、上映室の扉が開いて、体格のいい男性が入ってきて、わたしの背後を取って
助けてくれました。
顔を見ると、今日のインタビューの相手、チャン・ドンゴンでした。
「あぶなかったね。
ここ広いから、他の部屋に間違えていっちゃったんじゃないかと思って、
探しにきたんです。
無事でよかった。」
ものすごく怖かったのと安心したのとで、思わずわたしは背後にいるチャン・ドンゴンの
両手を取って握り締めてました。
「怖かったです。
来てくれてありがとうございます。
殺されるかと思って・・・まだガクガク震えてます。
チャンさん、映画だけじゃなくて、実物もすごく頼もしいんですね。
すごく素敵な男性・・・大好きです。」
安心したのと、もともとファンだったのとで、ちょっと言い過ぎたみたいです。
と、チャン・ドンゴンがびくっとして、しばらく沈黙してから、
まっかっかになって、言います。
「・・・ぼくも祐巳さんが好きです。」
あれれ・・・すごい真剣に取られちゃった。
すごいスターだから、好きとかって軽くたくさん言われていると思ったのにな。
深い意味もなくいきおいで口から出ちゃったんだけど・・・。
この人、10代20代の女優さんやトップモデルさんでも財閥令嬢でもつきあえるのに
なんでなのかな。
逆に普通にコミュニケーション取ったりする機会がなくて、シチュエーションに恋してるのかも。
「ぼ、ぼく・・・祐巳さんが好きです。
これからもいっしょにいてお話したい。」
うっうっうっ・・・
チャン・ドンゴンが泣き出してしまった。
この人何歳だっけ。
わたしのほうがひょっとして10歳とか上だとめちゃめちゃ悪者にされちゃうなあ。
一般人なのに名前も写真も出されて悪く書かれて、あとですぐ他の女優さんとかに
いかれたら、わたしは生きにくくなりそう。
でもこの人が裏切ったりなどするんだろうか?
こんな誠実そうで純情な人がまさか。
じゃ、どうしよう?どうしよう?どうしよう?
「ぼく、俳優やめて祐巳さんの無給お抱え運転手になってもいいです。
そばにいたい。」
困った。
どうしよう・・・・。
というところで目が覚めました。
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