怖くて悲しい夢を見ました。
「お嬢ちゃん、あんたは助かる。
助かる方法をおじさんが教えてあげよう。
列が動いて、あそこにいるおばさんに近づいたら、
あの怖い顔をしたおばさんに
『ママ、ママ、優しいママ、大好き』
と抱きつくんだ。
お母さんは助けてやれないが、あんたはそれで助かる。
1人でもがんばって生きなさい。」
前にいた穏やかな顔の見知らぬ老人にそう言われました。
パパを殺して、もうじきママを殺す人に優しいとか大好きとか言うの?
それはとてもくやしい。
そうまでしてわたしも殺される側だったら悔やんでも悔やみきれない。
「やりなさい。」
悔しくて出来そうにない。
そうすればあのばばあは自分の子供を思い出して、わたしに情が移るかもしれない。
それでわたしは生きられるのかもしれないけれど。
アウシュヴィッツ強制収容所。
わたしはユダヤ人の少女で家族とともに亡命に失敗してここに連れてこられました。
髪を切られて1列に並ばされていて、列の先では「選別」というゲームをやっていました。
外で待機するグループと、シャワーのない「シャワー室」に送り込まれる人たちとがいて、
父と叔父がシャワー室行きになったのが子供のわたしにもわかって、
悔しさと悲しさと疲労と死や処刑の恐怖でぼろぼろになってるときでした。
わたしはやりました。
少し前の母と2人の子のグループが、どちらかひとりだけ子供を
生かしてやろう。
お前はどちらを生かすように選ぶ?どちらを死刑にしたい?
って選択を強いられてるのを見たから。
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