夢の中で神さまが言う。
「ロンヤスの時代は完全にこれで終わったわけだ。」
もうだいぶ前からほんとうは終わっていたのだけれど、
かつての立派な知能、立派な体躯で禅や道という
アメリカ人が尊敬するものを持っている日本を
アメリカは友好国として取り扱ってくれていた。
でも、いまの日本のトップ陣営にはそれがまるでないと言う。
遠くをみたら、東日本大震災の被災者のための
仮設住宅が作られていた。
水洗トイレ、インターフォン、液晶テレビ、
電話、エアコン
先進国の仮設住宅は、この国の災害に涙して
貧しいながら義捐金を送ってくれた国々の
普通の人々の暮らしよりずっとゴージャスだった。
タイにはいまだに電気が通っていない村すらある。
ほかの国も同様だ。
そんな世界の人々の暮らしにも感情に日本は目を向けず、
遠慮も時期や分をわきまえるという過去の日本的美徳も
すでにこの国にはなかった。
被災者の服は古着は受け付けないと言う。
首都圏ですらフリーマーケットや古着屋、オークションで
人のお下がりを買う人もいるのに。
被災地の仮設住宅は豪華な一方で
日本各地では雇用もなく、国からの補助も受けられず、
餓死や凍死していく人も、家を持たない人もいた。
この人たちには被災者用の住宅や食事は無縁のまま
死んでいった。
そしてそういう人が災害が続く中でどんどんと増えていった。
いっそこの地が被災すれば、自分も屋根もわずかでも食事も
毛布ももらえるのになあと願う人も何人もいた。
そして、アメリカと日本のバランスが変わる。
国民は無血でアメリカの州のひとつになれるなら
そのほうがいいとすら思うようになっていた。
長い間の思慮に欠いた選挙投票、あるいは
投票の権利を無駄にしてきたことを悔いても、
そのときはもうマナも降って来なかった。
「後悔は、起こってしまってしかたがなくなったときに
抱くものだね。
後悔しないようには、決して行動しない。
それが人類の愚かさだね。」
そう神さまが言った。
人類という表現ははじめてかもしれない。
「人類」と言う言葉が気になっているところで目が覚めた。
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