「まだ、ここが日本だと思っているんでしょう?」
そう神さまに言われて、ぎくっとした。
道を歩いていても、もうほとんど日本語を聞かなくなりつつあった。
中国語やハングル、英語がほとんどなのだ。
ファーストフードやスーパー、コンビニの店員や
掃除人は日本人のネームプレートをつけているけれど、
日本人の発音ではない片言の日本語を話す。
中国に旅行しているみたいだ。
日本人が知らない間にかつての上海の租界みたいになっているのだろうか。
神さまが言う。
「レイ・ブラッドベリの『火星年代記』の中に
見た目は以前と同じ一家だけど、
中身は全員火星人で、
以前と同じように暮らしている話があったね。
あれみたいになりつつあるね。
気がつくと、田中さんの奥さんも、山田さんの奥さんも
中国人だったりして。」
レストランも病院も中国資本が増えている、と言う。
国立大学の教員も中国人はじめ、外国人が増えつつあった。
「日本人はますます雇用が無くなりますね。」
そうわたしが言うと、
「ほんとうに深刻なくらい仕事が無くなるだろうねえ。」
とあっさり言われたところで目が覚めた。
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